地域と未来を照らす光。植物工場×太陽光発電の可能性とグッドファームの挑戦

Pickup 施工事例コラム 最終更新日:2024.11.01(公開:2024.11.01)

北は丹沢山地、東は大磯丘陵、西は箱根外輪山、そして南は相模湾と美しい足柄平野の大井町に佇むグッドファーム様。神奈川県足柄上郡大井町にある就労継続支援B型事業所で「水耕栽培」という土を使わずに根を水の中に浸ける方法で育てています。

LEDを使った植物工場で温度や品質を管理され、清潔で安全に栽培された野菜は、地域の小売店、道の駅、レストランなどに出荷されます。

今回はグッドファームで太陽光発電システムを導入した経緯や、地域に根ざした持続可能な社会の実現を目指すグッドファームについて川田社長にお話を伺いました。

湘南電力(株)
代表取締役社長
原 正樹

グッドファーム様は、障がいを抱える方々の就労継続支援(B型)を行う事業所で、野菜の水耕栽培を通じたSDGsやサステナブルな取り組みを目指す会社です。その中で、代表の川田様には様々な方々の活躍の場をつくり、地域全体にその輪を広げていきたいという強い思いがあります。この度当社はそのお気持ちに賛同し、応援プランによる還元を実施させていただくことになりました。応援プランはグッドファーム様のような地域の課題解決に取り組む事業者や団体に、支援金が還元されるメニューです。地域全体の活性化にも貢献し得る重要な存在になると信じ、引き続き皆さまのお役に立てるよう努力してまいります。

有限会社川田製作所
代表取締役社長 川田 俊介

略歴

昭和45年6月6日 小田原市生まれ
神奈川県立小田原高等学校卒
中央大学理工学部卒
有限会社川田製作所 代表取締役
株式会社グッドファーム 代表取締役

神奈川県小田原市の金属加工業、有限会社川田製作所の代表取締役社長。同社は、ダイバーシティ経営を実践しており、40年以上外国人や障がい者がごく自然に活躍している。

川田氏は、昭和45年に小田原市で生まれ、県立小田原高等学校経て中央大学理工学部精密機械工学科へ進学。卒業後はIT大手の富士通にシステムエンジニアとして入社。

その後、家業を継ぐために川田製作所に戻り、2019年に社長に就任。2018年に植物工場の建設に取り組み、2023年10月、就労継続支援B型事業所として農福連携の植物工場が稼働。

趣味は旅行でキャンピングカーを購入し国内各地を旅行。国内はすでに全県を制覇。一方で、アジア、北米、ヨーロッパなどの海外へも訪れている。

システム概要

・設置容量:13.6kW (連系9.9kW)
・年間発電量:14,579kWh
・自家消費量:12,000kWh

社会への効果

・4,776kg-CO2

杉の木が1年で同量のCO2を吸収するのに必要な本数:約340本

※東京電力エナジーパートナー2023年度速報値:0.398-CO2/KWH

以前、川田製作所でも太陽光の設置も検討していましたが、川田製作所では設置不可。それであればグッドファームに設置したいと考えました。

グッドファームは植物工場の事業で、地球環境や日本の気象条件が色々変わり、農作物が被害を受ける中で、どんな気象条件でも野菜、食べ物が生産できるのが特徴で魅力。

そんな中でもエネルギーで考えると、いかにエネルギーを循環させながら同じものを作っていくかっていうのは大事だと思っていました。グッドファームを建築する前の検討段階で、 地下水と太陽光は見積もりを取ったんです。ここの建物の周りだけで循環させるような植物生産の仕組みができたらいいなと考えていたのですが、地下水は費用が合わなくやめました。太陽光についてはもう少し実績のデータが取れてからの方が、より効果的と考えて見送りました。元々テーマの1つとしてこの施設だけで循環させるということがあったなかで、古川社長が別件でこの施設を訪れた際に屋根を見てご提案をいただいたことが最終的なきっかけになりました。

大きな変化まではまだ言えるとこはないが、数字的にどうなったかっていうところを評価するにはまだ時間が経っていません。ただ 設置するよっていうことについては、1ヶ月以上前から利用者さんやスタッフには説明していて、それに対して皆さん好意的っていうか、それがやっぱり目指す姿、植物工場を目指す姿となるので、それについて好評だったし、設置によって直接的にみんながメリットを感じるっていう機会がまだ少ないんですけど、ただ、設置したことが地球に環境に対して良いことだっていう認識は皆さん持ってるので、それに対しての共感みたいなものは持ってくれてるかなと思います

今後は数字的なところをしっかりと出してみんなに「これだけ太陽光が発電して削減できたんだよ」みたいなことを説明して、皆さんと一緒に共有できたらいいなという風に思ってます。

あともう1つは湘南電力さんと古川さんということは従業員の皆さんにはお伝えしました。地域のエネルギー会社ということで、もちろん知っている人もいましたけど、知らない人もいるので。

みんな東京電力しかないと思っている人も多い中で湘南電力の選択肢もあるということをお伝えさせていただきました。一部の方はすごく興味を持ってくれましたね。

特にこちら側では苦労はなかったですね。湘南電力さん、古川さんのスタッフの方がスムーズに行ってくれました。うちの負担は全くなかったですね。

植物工場のコストは建物とか除いて、エネルギーとか材料とかもコストと原材料費とすると、そのうちのやっぱ大部分が電気代にはなっていますね。工場を維持する上で、水とか種、肥料とか、あとはスポンジとか、そういう消耗品とかが原材料ですので、そういうのを全部入れたとしても、かなりの割合が電気代です。そういう意味でもしっかりこれからの電気については、なるべく効率的な使い方をしていきたいな思ってます。

川田製作所で言うと、金属の部品を作ってるんですけど、金属の部品を大量生産するっていう仕事をずっとこの土地でやっていけるか、みたいな危機感は持ってる。 その中に植物工場っていう技術が、2010年、12年ぐらいから登場してきた。この技術、ものづくりは、地域でやり続けられる、やり続けていいもの作りだなっていう風に思いました。

そこがすごく魅力で、じゃあ植物工場どうやったら始められるんだろうって言ってスタートして、行き着いた結果がこの形ですね。福祉がきっかけじゃなくて、元々は何を作るかっていうテーマだった時に、金属から食べ物にシフトしていこうと考えた。

シフトっていうと機械製作所やめちゃう。そうじゃなくて、そういったところもやっていこうっていう動きなので、そういう意味だと、ガスから電気に…再生可能エネルギーや地域の要素を加えていったりと湘南電力と近いですよね。湘南電力の取り組みを見ているからウチなんかもやってるかもしれないです。
やっぱり2代目3代目になってきた中小企業にとっては、同じ業種でずっとできるのかっていう危機感って、皆さん持っている。でも新しい事業に挑戦するって、何やっていいか。その中で、小田原ガスさんや古川さんが電気事業について取り組んだことが流れになったりする。業種が違っても、いろんなところでチャレンジをみていくと地域の活性化になりますよね。

地域と言うと、 川田製作所にしても僕にしてもそうなんですけど、地域の人の活躍の場を創ることが大事かなと思っています。製作所に自分が入ってやり始めた時に、まず感じたのは中小企業の話になりますけど「地域を支える中小企業」って言葉があるんですね。なんか聞き覚えはあるじゃないですか。 

自分は川田製作所に入るまでは比較的大きな会社で働いていたので、中小企業が地域を支えるってどういうことかっていうの、あんまりピンと来てなかったんです。 

でも、川田製作所に入って商工会議所で経営者の集まりに参加させていただいて、地域企業の社長や代表者の方と接する機会や私は別の中小企業家同友会っていうところで勉強させてもらってて、そこでいろんな社長の話を聞いたりすると、中小企業って地域をすごく大事にするんですね。それでうちは製造業だから別にどこでも事業はできる。

やっぱり、小田原という地で作られて、この地域でどう続けて、地域のために何ができるかとかっていうのも、周りの社長さんがみんな考えてて。大企業さんっていうのは最適地で生産するので、それこそ、日本の人件費が高くなったら…中国が高くなったら…ベトナム行って…とかってやってくわけです。一方で中小企業はその地でどうやって位置付けるかを考えてて、そういうところにすごく刺激を受けて 何を考えたかっていうと、その中で大事なことは雇用。 

「地元の人を雇用し、活躍の場を創る」そのことをさらに考えたのは、雇用するだけではなく良い雇用の場を作りたい。

では良い雇用の場ってどういうことなんだろう。みたいなことも考えるようになっていた時に、 障害のある方がちょうどうちの会社働いていたし、これから高齢の方になる方ばかり働いていました。一方で女性が少なかったり、逆に日本人ばっかりだったところもあって、いろんな方が活躍できるような会社にしていきたいと思うようになりました。

色々取り組んできた中で、障害のある方でも十分いろんな取り組みをしていけば会社にとって戦力として活躍できるということを知っていった時に、福祉の話になりますけどそういう方がまだ地域にはいっぱいいる。

さらに、川田製作所は10数人の会社でやってますけど、そうじゃない。もっと地域にたくさんいる中に障害があって 仕事に就けないでいる方がいる。そういう方たちに働く場所を創っていく、 そういった場をやることが地域に繋がる、地域の活性化というか、地域への貢献としてできることだなと思って、グッドファームの事業を始めたという経緯があります。先ほど植物工場が先だってお伝えしましたが、じゃあ福祉はなんで始めたの。っていうところが今の理由です。

いろんな人の活躍の場を作るっていうのを、会社だけじゃなくて地域全体に広げてやっていきたいっていう思いの中でグッドフォームという事業を始めた。そこを大事にしていきたいと思ってます。

せっかくなのでエネルギー的な話をすると、10年前ぐらいに今の形の植物工場が出始めてきたのですが、実際社会にどれだけ普及してるのかというと、10年前よりはずっと普及してます。しかしながら少し前のニュースですが、日本で最大級のスタートアップの植物工場の会社が民事再生法を受けたっていうニュースが入ってる。

確かに有名な会社で、大手スーパーに出してるのはその工場なんです。レタスが毎日数万株を作ってるような工場で民事再生法を受けてるというニュースがありました。それで理由は書いてあったのですが、理由の1番最初に上がったのは「エネルギー高騰」

工場を作った当初に対してエネルギーが見込みと違い高騰してしまったということ。そういうニュースを見る限り、まだまだその植物工場という技術は収益も伴って社会に提供できるだけの形が出来上がってないと言えるんですね。

大きくすれば効率が良くなると言われてたのですが、日本で最大級の工場を作ってる会社もそうなってしまう。 そうなると、そこまで効率上げてるのに まだ収益が出せないっていうのが問題としてあります。

グッドファームは大規模型じゃなくて小規模型の工場なので、そこがダメだからグッドファームがダメだっていう理屈にはならないけれども、その植物工場という事業が未来社会の役に立つ事業だと思ってるからやり始めたので、この課題はなんらかの形で乗り越えていかなければなりません。 そして乗り越えていく課題の1つ、やるべき事というのは太陽光発電の導入。この先太陽光パネルのコストがどう動くかというのはありますけど、未来的にもっともっと高効率、あるいは費用的に落ちてきた時、エネルギー代と栽培のコストが下がってきた時にようやく本当の意味の植物工場事業は収益性を伴って社会に提供できる形になる。 その課題に向けた取り組みというのを、グッドファームでやっていきたいし、その最初の1歩の取り組みが今回の太陽光発電の導入だと思ってます。この先も自分たちで努力しながら、 あるいは社会の努力をしっかり受け取りながら、持続可能な植物工場のかたちを見つけていきたいなって思います。

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