MEETING ROOM vol.3|取締役 LPG事業部部長 土屋 光秀|変わりゆく会社と、変わらない信念。

コラム社内情報 最終更新日:2025.09.11(公開:2025.09.11)
古川の歴史と変遷:土屋部長が語る四半世紀の軌跡

はじめに

株式会社古川の「人」の想いに迫る『F MEETING ROOM』。第3回は、取締役としてLPG事業部とリフォーム課を率いる土屋光秀さんにご登場いただきます。

仕事への妥協なき姿勢から、かつて「仕事の鬼」と呼ばれた土屋部長。しかし、その厳しさの裏にある愛情や情熱に、多くの人が惹きつけられているのもまた事実です。

古川社長、新保さんに続き、今回は会社の歴史を知る生き証人の半生と、古川の変わらぬ価値観に迫ります。最前線で戦い続けてきた男の言葉に、耳を傾けてみましょう。

対談風景

登場人物プロフィール

土屋光秀部長のポートレート

土屋 光秀

株式会社古川 取締役 LPG事業部部長 リフォーム課課長兼任

1971年生まれ。大手ガス会社を経て、2001年に株式会社古川に入社。以来、四半世紀近くにわたり、エネルギー事業の最前線でお客様と向き合い続けてきた。マネジメントを担いながら現在も現場の第一線に立ち、多くの若手を育成。その厳しくも愛のある指導から、かつては「仕事の鬼」と呼ばれたことも。会社の歴史と変遷を知る、まさに生き字引的存在である。

安藤良平氏のポートレート

安藤 良平

株式会社古川 ブランドアンバサダー / 湘南ベルマーレフットサルクラブ所属

現役プロフットサル選手。Fリーグの名門・名古屋オーシャンズで数々のタイトル獲得に貢献し、日本代表としても活躍。今季、古巣・湘南ベルマーレに復帰。トップアスリートとして勝負の世界で得た知見を、ビジネスにおける“勝ちの探求”へと繋げ、企業のブランド価値向上に貢献する。


第1章:描いた未来とは違う場所で

安藤良平氏

安藤 良平

本日はありがとうございます。まずは、古川に入社された“本当の理由”について、今だから言えることがあれば教えていただけますか?

土屋部長

土屋 光秀

単刀直入に言うと、誘われたんです。当時30歳手前で、前職での営業成績も良かったから、独立して自分でガスショップを開業しようと考えていました。それでガスの仕入れ先を探して古川に相談に行ったら、そこに前職の上司が転職していて。「独立よりも古川に来ないか」と。今思えば、エネルギー業界が変化し始めていたあの時期に独立していたら、絶対とは言わないですけど、おそらく失敗していましたね。(笑)運命の分かれ道だったと思います。

安藤良平氏

安藤 良平

では、入社当時の会社の雰囲気や働き方は、どんな風に記憶されていますか?

土屋部長

土屋 光秀

最初の朝礼で驚きましたよ。大ベテランの社員ばかりで、まるで時がゆっくり流れているような職場でね。前職は20代、30代が中心で、朝礼では今日の目標を宣言するような活気のある雰囲気だったので、そのギャップに「この会社、大丈夫か?」と正直思いました。雰囲気もかなりのんびりしていて、目標数値も低かった。でも、そのおかげで自分のペースで、お客様のお困りごとを解決したり、紹介をいただいたりという、自分がやりたかった営業活動にじっくり集中できたんです。

第2章:会社の変革期、その中心で見てきたもの

インタビュー風景2
安藤良平氏

安藤 良平

そののんびりした雰囲気から、今の古川へと変わっていったわけですが、古川の歴史の中で、特に印象に残る出来事や転換点はどんなものでしたか?

土屋部長

土屋 光秀

それはもう、数えきれないほどありますが、最大の転換点は入社3年後に現社長が来られたことです。会社の雰囲気が一変しました。元銀行員でバリバリだった社長も、最初は平社員として入社されたのですが、準備のレベルからして違いました。私の担当エリアを引き継ぐことになった時、前夜に地図を全部コピーして、お客様の場所を全てマーキングしてきて。営業に行っても、私はガスの話しかできないのに、社長は旅行の話なんかで人の心を掴んでしまう。「人間として自分を深めていかないと一流にはなれない」と痛感させられました。入社1,2週間で、30〜40世帯もある大きな賃貸マンションの契約をまとめて取ってきた時は、本当に度肝を抜かれましたね。(笑)

会社もそこから大きく変わっていきました。オール電化が普及し始めた時も、最初はネガティブキャンペーンを行い敵視していたのに、ある日を境に「自分たちでやろう」という方針に変わった。その流れが、震災後の太陽光発電へのシフトや、今の湘南電力につながっていくんです。ショールームの開設も大きかった。ガスの営業だった私が、IHの調理実演のために毎週料理の勉強をしたりね。(笑)

メガソーラー事業も印象的です。荒れ放題だった土地が、あっという間に造成されてパネルがずらっと並んだ光景を見た時は、「古川はこんなことができる会社になったんだ」と感慨深かった。

そして何より、会社の根幹となったのが理念作りです。若手から役員まで全員で会社の歴史を振り返り、「社員はどうあるべきか」を徹底的に話し合って作り上げた。この理念があるからこそ、今の古川があるんです。

第3章:時代の変化と、変わらない矜持

インタビュー風景3
安藤良平氏

安藤 良平

ここまでのキャリアで「正直、辞めたい」と思った瞬間はありましたか?

土屋部長

土屋 光秀

辞めたいというよりは、悔しい思いをしたことですね。特にお客様を競合他社に大量に奪われた時は、「いつか見てろよ」という反骨心が湧いてくるだけで、辞めたいとは思いませんでした。ただ…時代の変化で、自分のやってきたことが必要なくなる日が来るかもしれない、という不安はあります。根底にあるのは、やはり「人の役に立ちたい」という気持ち。それが商売の基本だし、私の原点なんです。だから、AIやロボットに仕事が駆逐されて、その居場所がなくなるような感覚は少し怖いですね。

安藤良平氏

安藤 良平

そのAIやテクノロジーの進化については、どのようにお考えですか?

土屋部長

土屋 光秀

AIはすごいですが、限界もあると思っています。AIが作ったビートルズ風の曲を聴いたことがありますが、声も曲もそっくりなのに、何か違う。AIとリアルの違いは絶対にあるんです。AIによって知識が平準化していくと、最後は自分のオリジナリティや営業力といった「個性」が重要になってくる。個性は作れるものですから。

安藤良平氏

安藤 良平

上司や組織に対して「なんでこうなんだ」とぶつかった経験、どう乗り越えましたか?

土屋部長

土屋 光秀

組織や会社の仕事は、そもそも自分の思い通りにならないものです。「なんでこうなんだ」と思うのは当たり前。それを一つ一つ解決していくのが自分の仕事だと思っています。もともとどうにもならないと思っていた方が、一つ思い通りになった時に嬉しいじゃないですか。そういうメンタリティで仕事をしています。

安藤良平氏

安藤 良平

プレイヤーからマネジメントに移った時、一番ギャップを感じたのはどんなところですか?

土屋部長

土屋 光秀

実は最初からマネジメントというか、責任を持っているつもりでやってきたので、特にギャップは感じていません。一人のお客様に対しても、事業全体に対しても、ずっとそのつもりです。プレイヤーであり、マネージャーであるという両方の立場ですね。若手に教える時も、口で言うだけじゃなく、一緒に動いてみせることが大事。例えばセンサーライトの修理依頼があった時、「多分スイッチが切れてるだけだから、そう説明して」と伝えるだけでなく、「もし違った場合はこう対応するんだぞ」と、お客様がどう思うかまで想像させて、リアリティを持って語ることが重要なんです。一つの成功体験が、若手の自信につながりますから。

安藤良平氏

安藤 良平

働き方の変化についてはどう感じていますか?昔は有給休暇をとりずらい雰囲気もあったと聞きますが。

土屋部長

土屋 光秀

(笑)。時代も法律も変わりましたからね。私自身は仕事で身を立てるという考えが核にありますが、今は色々な人生の形がある。もちろん、「そんなに休んでどうするの?」という気持ちがゼロではありませんが、それを口に出すことはありません。限られた人数でチームを回すのは大変ですが、それも時代の変化に合わせて自分が変わっていくしかないと思っています。

安藤良平氏

安藤 良平

「昔はこうだったのに」と思う場面は、正直ありませんか?

土屋部長

土屋 光秀

あります。昔の方が助け合いの精神があった。入社1年目に都市ガスのマンション切り替え工事をした時、工事が直接できない担当の人間も、当たり前のように片付けを手伝ってくれて。それを見て本当に感動したんです。昔の古川には、そういう強い一体感がありましたね。もちろん、今でもその精神は根付いていますが、会社が大きくなった分、どうしても昔と比べると薄まっている部分は感じます。だからこそ、また全社で一丸となって何かに取り組むような仕事がしたい、という気持ちはありますね。

第4章:ベテランの哲学と、未来への伝言

インタビュー風景4
安藤良平氏

安藤 良平

経験を重ねた今、「あのときの判断は間違っていた」と気づいたことと、反対に「これは貫いてよかった」と確信できることはありますか?

土屋部長

土屋 光秀

間違っていた判断は…思いつきませんね。間違いはたくさんありますが、ほとんどは修正できることです。それに気づいていない間違いもあるかもしれないし、これから気づくこともあるでしょう。気づいたら、その都度修正していくしかない。一方で、貫いてよかったと思うのは、やはり「人の役に立ちたい」という気持ちです。社員でも、お客様でも、会社でも、誰かの役に立つこと。それが私のモチベーションの源泉です。

安藤良平氏

安藤 良平

今後の古川に「これは問われ続けるだろうな」と感じることはありますか?

土屋部長

土屋 光秀

古川は、我々が思っている以上に「小田原を代表する企業」なんです。他社に行っても「小田原といえば古川さん」と言われる。だからこそ、その名に恥じないよう、社員一人一人が自覚を持って行動することが、これからもずっと問われ続けるでしょうね。

安藤良平氏

安藤 良平

土屋部長にとって、「古川で働き続ける意味」とは何ですか?

土屋部長

土屋 光秀

生きること、そのものです。古川がなければ生活がないという意味ではなく、私の知っている世界のほとんどは古川にある。前職でガスの仕事は教えてもらいましたが、それ以外の全てのことは古川で身につけました。ここで働くことで自分の存在意義を感じていますし、今日のこの話も、古川での経験がなければ語れない。日々の仕事や人との関わりが、私の人生そのものになっています。

安藤良平氏

安藤 良平

若手に継承したいのは“ノウハウ”よりも“●●”だ、と思うとしたら何ですか?

土屋部長

土屋 光秀

「忍耐」ですね。最近は「大丈夫だよ」という優しい言葉ばかりが溢れていますが、仕事はそんなに甘くない。成功するためには忍耐が当たり前だと思っていれば、いざという時に対応できる。楽な方を選ぶと、大抵間違える。きつい方、つらい方を選んだ方が、結果的に正しい道につながることが多いんです。

安藤良平氏

安藤 良平

厳しい言葉ですが、真理ですね。それでは最後の質問です。私はベテラン選手として、現状維持ではなく、常に周囲を刺激し続けることが大切だと感じています。若いころから積み重ねた経験のおかげで、物事を俯瞰して見る力も備わってきました。こうした視点と重ねながら、土屋部長が考える「ベテランとはどうあるべきか」をぜひお聞かせください。

土屋部長

土屋 光秀

ベテランは、優しくなりすぎてはいけないと思います。経験を積むと、人の気持ちや行動がある程度読めるようになる。だからこそ、相手の立場やキャラクターを理解した上で、より良い方向性を示してあげることが大切なんです。単に甘やかすのではなく、その人が最も成長できる方向性を示すこと。それが「本当の優しさ」であり、人が活躍できる場を作るマネジメントの役割だと思っています。


あとがき

対談後の和やかな風景

インタビューを終えて、心に残ったのは、土屋部長の言葉の端々からにじみ出る、会社と仲間への深い愛情でした。なぜ、あの人は「仕事の鬼」とまで言われながらも慕われるのか。その答えが分かった気がします。それは、若手の成長を本気で願う、ベテランならではの「本当の優しさ」でした。

「忍耐」、そして「ベテランは優しくなりすぎてはいけない」。アスリートとして勝負の世界に生きる僕にとっても、この言葉は深く胸に刺さりました。相手の未来を本気で思うからこその厳しさ。それこそが、土屋部長の言う「本当の優しさ」なのでしょう。

会社も時代も、この25年で大きく変わりました。それでも、「人の役に立ちたい」という仕事の原点と、仲間と困難に立ち向かう「古川らしさ」は、決して揺らぐことがない。土屋部長の背中と言葉は、これからの古川を担う若い世代にとって、確かな道標になるはずです。

Content Direction & Editorial

金井 智之

株式会社古川 企画広報室

WEBマーケティング・広報・ブランディング施策の企画立案からコンテンツ制作・運用までを担当。地域に根ざした視点で、企業と人をつなぐ接点をデザインしている。

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