特別コラム 格式高い箱根の温泉旅館が選んだ燃料はLPガス
今回のフルTIMESは特別編として、お客様の生の声をお届けします。
「30年目の模様替え」として、2023年2月13日にリニューアルオープンした和心亭豊月の杉山慎吾専務取締役にお話を伺いました。生まれも育ちも箱根町。大学進学を機に上京し、エンターテインメントの最高峰ディズニーランドの系列ホテルに就職。
そして30歳を迎える2009年に家業を継ぐカタチで箱根に―。髪型も服装も話しぶりまで洗練された杉山専務の思いは。そして芦ノ湖を望む格式高い温泉旅館が、重油からLPガスに燃料転換した意図、そして数あるガス会社から古川を選んだ理由とは?
大学進学で箱根から上京し「何でもそろうこんな世界が」
小田原市街地から国道1号で箱根湯本へ、そしてあえて県道732号で芦ノ湖方面へ。外国人観光客も増え箱根もあるべき姿に戻った2023年9月29日、和心亭豊月は凛とした佇まいで訪れる者を受け入れる。
箱根連山に囲まれ、眼下に広がる芦ノ湖。そして関東屈指のパワースポット箱根神社へと参道でつながる一軒宿。リニューアルオープンから7か月が過ぎた夏の終わり、杉山専務が丁重に出迎えてくれた。
和心亭豊月 正面玄関
専務取締役 支配人
杉山慎吾氏
ここ箱根で生まれ育って、大学進学を機に上京しました。最初の日こそ寂しさを感じましたが、翌日からはこんなバラ色の人生があるのかと。コンビニも目の前にあるし、デリバリーピザも頼めるなんて、と。2002年フランスW杯の時には新宿コマ劇場に集まったり、テニスサークルに入ったりと。
本当にそれまでとは全然違う世界で、1人暮らし同士で集まったりと仲間ができましたし、何より都会を感じました。箱根で育った者としてみると、何でも全てが揃う環境で、多種多様な人がいるんだなと全てが新鮮でしたね。
本はメチャクチャ読みましたが、影響を受けた本は当時ウォルト・ディズニー・カンパニー元最高経営責任者(1984-2005)だったマイケル・ダマン・アイズナーの著書「ディズニー・ドリームの発想」です。
経営者という職業があり、そして発想の仕方が勉強になりました。キャラクターよりもショービジネスとしてのディズニーが好きで、大学卒業後はエンターテインメント産業やサービス業に就きたいと思い、エンタメ要素を兼ねたディズニー系列のホテルに就職しました。シティホテル系は全て縁がありませんでしたが、なぜかリゾート系のホテルは選考もスムーズに進みましたね。外資系も含めてですが、自分にはリゾート系の適性があるのかなと。
ディズニーの世界観と同じく「箱根旅の一環としての旅館」を
都会の喧騒から離れた和心亭豊月の個室。夢の世界を演出するリゾートホテルで働いた経験からか、身振り手振りを交えた話術もまた、服装同様に洗練されている。
ショービジネス、都会が大好きと公言する杉山専務だが2009年に家業を継ぐカタチで地元に戻ることを決意した。ディズニーと箱根、ホテルと旅館-。一見、真逆に映る「人生の転機」を、どのように受け止めているのだろうか。
和心亭豊月の客室から見る芦ノ湖
確かに都会が好きで、ホテルが大好きです。戻るにあたり、東京出身の妻と小田原生活を数年間経てから、箱根町に移り住んだぐらいです。今でも箱根は訪れるところであると思います。日々の買い物や、もしもの時の病院など、生活するにはやはり不便ですから。
ただ、箱根の大自然はやはり魅力的ですし。ディズニーも箱根も、「非日常を味わう」という点では同じです。就活時にある役員クラスの方の「ディズニー系列ホテルは、ディズニーの世界観の一部であり補完施設で良い。ディズニー体験の補完であり、ホテルを目的に来るものではない」のようなことを言われました。当時の私は「私は違うと思います。このホテルに泊まりたいから、を旅の目的にするのも打ち出すべきです」と言い返した記憶があります。
しかし今は真逆で、その方がおっしゃっていた発想に近い考え方になりました。「旅の目的になるような旅館になりたい」は、自分たちが中心のプロダクトアウトの考え方になります。全国屈指の恵まれた箱根という観光地にいて、自分たちが中心ではなく、「箱根旅の一環としての旅館」との考え方の方が、個々で出来ることの10倍、100倍は可能になりますから。もちろん、滞在時間の長い旅館やホテルをハイレベルで提供することは大切です。ただ、少なくとも旅の選択肢のスタートとして観光地や周辺に生かされているとの考え方は大切にしたいですね。
「30年目の模様替え」で燃料転換、新たな時代はLPガスで
箱根という観光地に生かされながら訪問者を受け入れ続けてきた和心亭豊月は2023年2月、リニューアルオープン。芦ノ湖を一望する「和モダン」「数寄屋和室」「和洋室」など7タイプ全16室、春夏秋冬を五感で味わえる景観と料理-。刻んだ歴史と伝統を上塗りする「30年目の模様替え」を果たした温泉旅館を支える燃料は、重油からLPガスへと転換した。
半露天風呂から芦ノ湖一望の「豊月自慢の特別室」
露天風呂「出合い月〜灯〜」
温泉旅館の大規模リニューアルにあたり、「燃料転換」は最重要課題でもありました。箱根は大自然に囲まれてますし、SDGsの観点からもクリーンエネルギーへの転換は必要不可欠です。私自身はあと30年で現役を退くでしょうから、その「30年間を安定供給できる燃料」が絶対条件でした。
最大の問題は空調で、それまではヒートポンプで「冷」は冷却水循環装置のチラー、「暖」はボイラー炊きのお湯を館内に温水循環していました。大出力のボイラーと機能も必要になり、その配管も30年経てばメンテナンスも出来ないレベルに劣化しますし。空調は電気にすることで、残る問題は給湯でした。
温泉旅館として給湯は最も重要ですので、色々と調べていくうちに、最も効率的なマルチ給湯器に行き当たりました。30年前はありませんでしたし、間違いなくエコなのと、故障してもバックアップ運転ができるマルチ給湯器にしました。
新設したマルチ給湯器
LPガスバルク貯槽タンク
リニューアルオープンから7か月が過ぎましたが、LPガス、マルチ給湯器への転換は本当に良かったと思います。ボイラーは従業員誰もが触れたくないと言うのが本音ですし、配管が複雑でしたので。当時はボイラーに暖房、給湯、熱交換と3系統が行き交っていましたし。
マルチ給湯器で、視覚的な安心感と、もしもの時のバックアップがある安心感を得られたことは大きいですね。7台のマルチ給湯器がある中で、常時動いているのは2台ですが、エラー時に「●号器がエラー」とのお知らせと同時に、他の正常な給湯器にローテーションで切り替えてくれるので助かっています。
買って終わりではないガスは「向こう30年間、お任せできる」古川で共に未来を
「30年目の模様替え」で重油からLPガスへ、ボイラーからマルチ給湯器へと、新たな時代に適した燃料と体制を纏った和心亭豊月。都会で交友関係や見聞を広げ、ディズニーの世界観を糧に、箱根に戻った杉山専務。温泉旅館のリニューアル最大の課題として掲げた燃料はLPガス。数あるガス会社の中で、古川を選んだ理由は。
左:和心亭豊月 杉山氏
右:古川の担当 髙橋
左:古川本社事務所(白)
右:スマート館(青)
実は株式会社古川の古川剛士社長、大司副社長とは10数年前に小田原の飲食店でお会いしていました。一緒にいた先輩から紹介される、よくあるパターンです。その後は特に何もなく過ごしていましたが、やはり小田原や箱根エリアでは「古川」「FURUKAWA」の文字を耳にしたり、目にする機会も多く、ガスだけではなくオール電化・太陽光・リフォームなど常にイノベーションし続けていて、気にはなっていました。フットサル湘南ベルマーレのスポンサーをされたり、地域密着イベントを開催されたり、色々なつながりを大切にされている印象がありました。
私自身、試行錯誤しながら挑戦し、イノベーションしていく姿勢を大切にしていますので。古川は箱根にも営業所がありますし、しっかりと対面コミュニケーションが取れますし、もしもの時にもすぐに駆けつけてくれる安心感も大きいですね。 古川ならではの担当制も安心材料の一つです。
和心亭豊月を担当してくださる高橋さんは私と年齢も同じですし、本当に優しく丁寧に対応していただいています。古川の社風なのでしょうか、皆さん自然体で優しいところからも、「一緒に前に進もう」との雰囲気が伝わってきます。
こちらの疑問や質問に対する返事も早く的確で、これなら「向こう30年間、ガスは古川にお任せしたい」と思いました。イノベーションを続けることが、結果として伝統になると考えていますし、革新的な古川と共に未来に歩んでいければと願っています。
担当プランナーの取材後記
取材前の雑談では、箱根の人口減や空き家問題についてもアツく語られていた杉山様。都会が好き、とおっしゃられながらも、生まれ育った箱根に対する愛着、そして人への愛情は深い方なのだろうと、伝わってきました。元々は重油でしたが、リニューアル大規模工事で環境面や従業員の手間や不安など将来を見据えてLPガスを選択されたとのこと。
実は私が初めて和心亭豊月様を訪れた時、びっくりすることがありました。正面玄関から丁寧に、お客様をお迎えするようにご対応いただいたことです。通常は、業者の人間として「裏口」「通用口」からお邪魔することが多い中で、玄関からおもてなしいただいたことは本当に驚きでした。嬉しさのあまり、帰社してすぐに社長に報告したぐらいです。 ただ、そのエピソードに対しても杉山専務は「私からすると、正面玄関からお出迎えするのは当然のことですから、それほど驚かれたことに驚いてますよ」と笑顔で…。
杉山専務とは何かと共通点が多い事が驚きで。年齢、上京の時期と居住エリア、そしてフランスW杯時に新宿コマ劇場に集まっていた事など…。その時は接点こそありませんが、20年以上が経過した今、仕事のお付き合いが出来ていることに、何か深い「縁」を感じました。向こう30年お任せできる会社として古川を選んでいただいた杉山専務の期待に応えられますように、微力ながらフルパワーで担当させていただきます。
株式会社古川
箱根営業所長 髙橋
和心亭豊月
芦ノ湖の温泉旅館 和心亭 豊月
■和心亭 豊月公式WEBサイト
https://www.hakone-hougetu.com/
■住所
〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根90−42
■チェックイン 15:00
■チェックアウト 11:00
■ご予約・お問い合わせは
電話:0120-857-007(受付時間 9:00〜19:00)
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